今日、登山家の栗城史多さんの訃報を知りました。
エベレスト無酸素単独登頂に挑戦中、体調不良でアタックを断念し、その下山途中で息絶えた、とのこと。
なんとも言えないショックでした。
栗城さんは、7~8年前、うちの会社も絡んだ交流会の講演で登壇され、それが私が彼のことを知るきっかけになりました。
彼は、自分がアタックする映像をネットで生配信し、みんなで「冒険の共有」をすることを一番の目的にしている人。
「なんで一人で山登るんですか?私やったら気が狂いそうになりますけど。一人で怖くないんですか?」
超ど素人級のありきたりな質問を、でも、ほんまになんでやねんろ?理解できんわ、と思って、彼にストレートに聞いてみたのを覚えてます。
「僕、アホなんですよ笑 ほんとそれだけです笑」
「え~っ?!苦笑 いや、他にもっとなんかないんですか?」(私)
「いや、ほんとに、僕、アホなだけです」
笑わそうと言う感じでもなく、でもにこやかに笑いながらこう答えた栗城さん。
もっと「そこに山があるから」とか、「自分と闘うために」とか、なんぞ深~い返事が返ってくるかと思いきや、めっちゃ肩すかしだった。
栗城さんのことは良くは知らないが、まったくかっこつけないその人柄が、おそらくそのままこの返事にでてたんだろうなぁといまもおもう。
その後何度もエベレスト挑戦して、数年前には凍傷で9本指を失って。
そのときは、もう登山家は引退されて、違う道を進まれるかな、とおもった。
というか、心の中ではそうしてほしかった。
こんな日が来てほしくなかったから。
でも彼はあきらめないで毎年エベレスト登頂に挑戦されてました。
栗城さんの一番の目的は、「冒険の共有」でした。
夢の途中で失敗する、それも「冒険の共有」。
失敗は別に失敗じゃない。
彼を応援する人たちは、別に必ずしも登頂を成功させてほしかったわけではない。
失敗してもいい、また立ちあがってチャレンジしていく、その冒険を共有して、勇気をもらっていたんだと思います。
栗城さん、安らかに眠ってください。