先日、今枝さんのリサイタルを観てきました。
コロナ時代になってから、大きなホールでフラメンコ(いや、フラメンコにかかわらずどんな分野を問わず)を観る、、ということがなかなか叶わなくなっている今日この頃。。。この日が本当に待ち遠しかった。
元々は、昨年の同じころに、スペイン人アーティスト達を招聘して開催される予定だったもの。それが2度ほど延期され、最終的に、今年、すべてを日本人アーティスト達にして開催されることになったこの公演。
延期するか中止するか、何度も選択を迫られ、主催者の方たちは心休まるときがなかったと思います。
長いトンネルを抜け、とうとう本番にこぎつけた演者さんたちのパワーは、凄まじいものでした。
舞台の上の人も、見ている観客も、心が一つになる、まさにこれだった気がします。
アーティスト達は、全身全霊で、圧倒的なパワーが舞台上から送られてきました。それを受け取る私たち観客、そして、その感動と喜びが、また舞台上のアーティストに返っていく、そうして、エネルギーの循環が完全に行われた舞台は、最初から最後まで神々しく、光に満ちたものでした。
これ、いいすぎじゃないです。
本当にそうだったんです。
ここまでのものは、なかなか遭遇しないかもしれない。
「芸術が生活のお飾りでしかないとみなされるこの風潮から、私の役割とは一体なんだったのだろうかと不安になることがありました。」
プログラムのあいさつ文の中にこう書かれていました。
こう語るこの人の魂の舞台で、私は、心震え、高揚し、涙が溢れました。
芸術は、お飾りなんかじゃない。
生きる力を与えてくれるもの。
心からありがとう、と思いました。
そして、今でも、「鼓動」が聞こえます。